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ノルアドレナリン

ノルアドレナリンについて

ノルアドレナリンは神経伝達物質のひとつです。神経伝達物質であるノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンなどは、その化学構造の中にアミノ基を1個もっています。したがって、これらの神経伝達物質を称してモノアミン(モノ=1つ)といいます。モノアミンであるノルアドレナリンは、集中力、やる気、緊張、注意力などを高める作用があります。さらには、痛みを和らげることも知られています。しかしながら、集中力を高めるなどの作用と痛みを和らげる作用は、異なるノルアドレナリン神経経路が関与していることが判明してきました。

ノルアドレナリン神経経路

  1. 神経細胞は軸索をのばし、他の神経細胞とシナプスを形成して、複雑な神経回路網(ネットワーク)を構築しています。(神経細胞とシナプスの項目を参照)

  2. 刺激に応じて神経終末から神経伝達物質が放出されますが、ノルアドレナリンを神経伝達物質として放出する神経細胞をノルアドレナリン作動性神経といいます。同じ神経細胞にノルアドレナリンと他のモノアミン(例えば、セロトニン)が共存することはありません。

  3. 神経細胞が形成する回路網は非常に複雑ですが、無秩序に形成されるのではなく、規則正しい回路網を構築しています。ノルアドレナリン作動性の神経細胞体は、脳内の特定の部位(例えば、青斑核と呼ばれる部位)に限局して存在します。

  4. 青斑核のノルアドレナリン神経細胞は、決まった方向に軸索をのばし(背側ノルアドレナリン束)、大脳皮質、視床、海馬、側坐核、扁桃体などの精神活動と密接な関連がある領域に向かいます。

  5. その他にも、腹側ノルアドレナリン束を形成し視床下部や扁桃体へ投射する経路や、脊髄に投射する経路などがあります。


神経細胞

ノルアドレナリン神経投射路

抗うつ薬とノルアドレナリン

  1. 抗うつ薬の種類と特徴」で説明していますが、SSRIとトラゾドン以外の三環系、四環系およびSNRIは、ノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを阻害する作用をもっています。その結果として、ノルアドレナリン作動性神経の伝達を促進させます。

  2. うつ病では大脳皮質などの精神活動と密接な領域において、ノルアドレナリンの神経伝達が低下していると考えられています。ノルアドレナリンの再取り込みを阻害する薬剤は、その神経伝達を回復させることにより抗うつ効果を発揮します。

  3. これらの抗うつ薬は、脊髄へ向かうノルアドレナリン作動性神経の伝達も促進させます。この脊髄に向かうノルアドレナリン神経は末梢からの痛みのシグナルが脳へ伝達されるのを防御しています。この痛みの防御作用が抗うつ薬投与によって増強されることが、舌痛症のような歯科心身症の痛みに効果的である理由のひとつと考えられます。


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