踊る歯科心身症ネット
踊る歯科心身症ネット
歯科心身症
口腔症状と脳機能
研究紹介
情報ステーション
医療関係者
歯科心身症の研究紹介
舌痛症とミルナシプラン
口臭恐怖症とSSRI
かみ合わせの異常感とSNRI
顎関節症と線維筋痛症とSNRI
歯科心身症の研究


口臭恐怖症に対するSSRIの効果


研究の背景と目的

周囲の人からは口臭を感じないのに自分は口臭がひどいと悩み、対人との接触に過敏となる病気を口臭恐怖症(halitophobia)といい、歯科心身症のひとつとして知られている。本患者は自らの口臭を確信しているため対人関係に支障をきたしている場合がほとんどである。その治療はカウンセリングと薬物療法が主体となり、薬物療法としては抗不安薬が用いられるが、その治療には根気と時間を必要とする。
近年登場したSSRIの口臭恐怖症に対する研究報告はほとんどない。そこで、口臭恐怖症の患者に対して、SSRIであるフルボキサミンの有用性を検討した。

研究の方法

  1. 研究参加への同意を得られた19名(男性5名、女性14名)の口臭恐怖症患者を対象とした。

  2. 研究参加の選択基準は、非常に良好な口腔衛生が保たれていること、口腔内の限局性あるいは全身性の疾患がないこと、第三者が口臭を感じないこと、精神疾患の既往歴がないこと、それにもかかわらず口臭を非常に気づかいながら話をすることなどである。

  3. ただし、口臭恐怖症の概念があいまいで未だにその診断基準について議論されていることから、自己臭恐怖症(automysophobia)の診断基準を準用した。

  4. フルボキサミンは、初期用量を25mg/日とし、以後、症状に応じて増減した。最大投与量は150mg/日とした。投与期間は4週間でオープン試験として実施した。

  5. 評価には医師による臨床全般印象改善度(CGI-I)を用いた。

研究の結果

  1. 患者の平均年齢は30.1歳であった。

  2. 1名の患者が試験途中で脱落した。

  3. 試験終了時のフルボキサミンの平均投与量は100mg/日であった。

  4. フルボキサミンの投薬により「口臭が気にならなくなった。」、「人と話をするのが苦にならなくなった。」、「外出時に気をつかわなくなった。」などの明らかな改善が認められる症例が出現した。

  5. CGI-Iにより、10名に著明な改善、6名に中等度の改善が認められた。2名は症状の改善も悪化も認めなかった。

  6. 1名に眠気、1名に悪心、1名にめまいの副作用を認めた。

三叉神経の走行

図 口臭恐怖症患者におけるフルボキサミンの効果


研究の考察とまとめ

  1. フルボキサミンの4週間の投薬で、19名中10名において著明な改善が認められた。

  2. フルボキサミンの忍容性は高く、今回の研究において問題となる副作用を認めなかった。

  3. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるフルボキサミンの口臭恐怖症に対する有用性から、本疾患の病態生理に脳内セロトニンの関与が示唆された。

06/8/101 大学病院の歯科口腔外科で長年にわたり歯科心身症の治療を行っている管理人の研究の一部を紹介。 口臭恐怖症に対するSSRI フルボキサミンの鎮痛効果に関する研究の紹介。
リンク 管理人
利用規約
踊る歯科心身症プライバシー
あゆみ 受診案内
Copyright (C) 2006-2008 Atoyofpsd.net All right reserved.